自宅への弔問のマナーで挨拶や服装・香典と手土産・花やお供え・供物はいかに?
社会人になれば、葬儀に参加することが多くなります。
その際に通夜や告別式に間に合わず、葬儀後に故人の自宅へ弔問にいくこともあるでしょう。
そういった、自宅へ弔問に行った際のマナーなどをあなたはご存知でしょうか?
今回は、葬儀後に自宅へ弔問に伺った際の、挨拶や手土産・花やお供え・供物などのマナーはどうすべきかを中心にご紹介します。
ご自宅への弔問ですので、その時の服装や香典の渡し方、お悔やみの言葉、葬儀後の言葉をかける際のマナーなどもご紹介していきますので、是非、参考にしてくださいね!
葬儀後ご自宅に弔問をする際の服装やメール挨拶のマナー!?
頻繁にある事ではありませんが、葬儀の連絡が遅れて知らされた時や、仕事や個人的な都合でどうしても葬儀に参列できず、後日、故人の自宅へ弔問に伺う機会が今後 あなたにも出てくるでしょう!
大抵の場合は、通夜・告別式のどちらかには参加するので、葬儀に出られないということは滅多にありません。
しかし、タイミング悪く、どうしても葬儀に参列できず、後日、弔問に伺う場合もあります。
その場合、葬儀でのマナーと、葬儀後にご自宅まで弔問に伺う際のマナーでは少し違ってくるので注意が必要です。
ここでは後日、故人のご自宅へ弔問に伺う際のマナーや服装、挨拶・お悔やみの言葉をかける際の注意点、香典の正しい渡し方などをご紹介しますので、是非、参考にしてくださいね!
葬儀後 自宅に弔問に伺う際のメール・電話での挨拶!メール連絡の文例紹介!
葬儀に間に合わず、後日、弔問に伺う際は、まず遺族に事前の連絡・挨拶が必要です。
葬儀後の弔問は、斎場ではなく、遺族のご自宅に伺う事になりますよね!
その為、自宅まで勝手に弔問に伺っては、大変失礼となってしまうのです。
また、遺族は様々な手続きや申請、遺品整理などで忙しいことが考えられます。
事前連絡・挨拶も無しに自宅へ弔問に伺っては、遺族に失礼、かつ、社会人としてのマナーや配慮にかける行動です。
葬儀後に自宅まで弔問に訪れる際は、マナーとして必ず遺族に事前の連絡と挨拶を入れてから伺うようにしてくださいね!
事前に弔問の連絡をする際も、こちらの都合より遺族側の都合を優先しましょう。
どのタイミングで弔問に伺えば遺族に負担がかからないかなど、電話やメールで連絡を入れる際に確認してみてください。
遺族によっては、後日の自宅への弔問を断っている場合もあるので、事前の連絡は必須のマナーです。
【自宅への弔問の事前のメール挨拶の文例】
この度はご愁傷様です。
突然の訃報で、未だに信じられない思いで一杯です。
心よりお悔やみを申し上げると共に、故人のご冥福をお祈り申し上げます。
この度、どうしてもはずせない用があったため葬儀に参列できませんでした。
故人の為に線香だけでもあげに伺いたいのですが、ご都合はいかがでしょうか。
以上が、必須マナーである、自宅への弔問の前の連絡・挨拶の文例になります。
「遺族への配慮」を心がけた言葉で連絡を取るようにしてくださいね。
弔問の時期は葬儀後いつからいつまでに伺うべき!?
葬儀後の弔問の時期は、いつからいつまでに伺うべきなんでしょうか?
弔問の時期が、いつからいつまでなんて、社会人になって今さら、こんなこと人にはなかなか聞けませんよね!
しかし、多忙な時期だからこそ、お通夜や告別式にも参加できず、弔問に伺う事態に陥ってしまっているという事なので、これは事前に知っておかなければなりません。
一般的には、弔問は葬儀後3日以内が好ましく、遅くとも四十九日までに伺うようにしましょう。
葬儀後の自宅への弔問の服装のマナー!男女別にご紹介!
葬儀後、自宅に弔問に伺う際の服装は、喪服ではなく「平服」で伺うことがマナーとされています。
葬儀のマナーとして、自宅への弔問での服装においても、遺族よりも格の高い服装で参列することはマナー違反とされているからです。
後日、自宅へ弔問に伺う場合、遺族は「平服」もしくは「普段着」でいることから、格の高い喪服で弔問に伺うことはマナー違反となるため、平服で弔問に伺うようにしてください。
自宅への弔問の服装のマナーが「平服」だからといって、ジーンズやTシャツのことではないので、男女別に具体的な服装や持ち物をご紹介していきましょう。
●葬儀後の自宅への弔問時の男性の服装・持ち物
・平服
「スーツ」もしくは「ジャケット」と「スラックス」の組み合わせ
紺色やグレーのスーツなどは、嫌味がなく落ち着いた色合いなので、弔問での服装としてお勧めです。
・ネクタイ
自宅への弔問時の服装のマナーとして、黒ネクタイでなく、派手にならない落ち着いた色合いのネクタイにしましょう。
・靴
金具が付いておらず、華美な装飾が施されていないものを弔問では履いていきましょう。
・鞄
弔問に行く際は、大きな鞄ではなく、セカンドバッグ程度の大きさのものを持つようにしてください。
鞄も、華美な装飾が施されていないものを持つようにしましょう。
・数珠
遺族が「仏式」で葬儀を執り行っていた場合は、弔問時にも数珠は必要になります。
●弔問時の女性の服装・持ち物
・平服
ワンピースやカーディガン、または、アンサンブルスーツ
女性も男性のスーツと同じく、弔問時の服装には、紺色やグレーのワンピースなどがお勧めです。
・靴
金具が付いておらず、華美な装飾が施されていないものを履きましょう。
また、ヒールの高くない靴が弔問には好ましいとされています。
・鞄
男性の弔問時の鞄と同じく、大きな鞄ではなく、手提げ鞄程度の大きさのものを持つようにしてください。
鞄も華美な装飾が施されていないものを持つようにしましょう。
・アクセサリー
弔問時にアクセサリーは基本的に身につけませんが、結婚指輪程度のアクセサリーであれば問題ありません。
・数珠
遺族が仏式で葬儀を執り行っていた場合は、女性も弔問時には必要になります。
ここで気をつけていただきたいのが、弔問時の「平服=普段着」ではないということです。
平服とは、あくまでも「TPOにあった、それなりの服装」を指しています。
平服で良いからといって、普段着で弔問に訪れるということがないようにしてくださいね!
また、弔問の際、男女共に華美な装飾のついた物は避けるようにします。
大きな文字盤の時計や、アクセサリーとして着用している数珠なども好ましくありませんので、弔問に伺う前に外しておきましょう。
弔問の挨拶や遺族にかける言葉とは?忌み言葉に注意!
葬儀に参列した際や弔問時の挨拶に使ってはいけない言葉を「忌み言葉」といいます。
具体的には「重ね言葉」が忌み言葉に当たります。
重ね言葉とは「重ね重ね・重々・次々・くれぐれも・いよいよ」といった言葉を重ねた表現のことを指しています。
重ね言葉を使ってはならない理由としては、「言葉を重ねる=不幸が重なる」という日本の縁起思想から来ており、弔問を含む葬儀の場での挨拶には重ね言葉は使わないのが無難でしょう。
重ね言葉の他にも、「繰り返しをイメージさせる言葉」も忌み言葉に当たります。
一般的には「再び・続く・引き続き・なお・また」といった言葉が忌み言葉として挙げられ、こちらも不幸が重なる意味合いになるので、弔問での挨拶の際に注意が必要です。
以下で、弔問に訪れた際、挨拶・お悔やみの言葉の文例をご紹介しましょう。
葬儀後の弔問の挨拶の文例をご紹介!
まずは、弔問時の挨拶例です。
葬儀後、遺族は心身共に疲れているので、弔問時の挨拶として遺族の体調を気遣った言葉が好ましいでしょう。
【弔問の挨拶の文例】
「本日はお忙しいところ、弔問の時間を割いていただき有難うございます。」
「この度は、葬儀に参列できず申し訳ありませんでした。弔問のご都合を頂き、誠に有難うございます。」
「お疲れのところ、急な弔問に伺い誠に申し訳ありません。」
「弔問の時間を割いてもらったこと」「葬儀に参列できなかったこと」
「急な弔問の感謝とお詫び」を中心に挨拶をするのがお勧めです。
弔問の挨拶の後は、続けてお悔やみの言葉を遺族にかけます。
弔問でのお悔やみの言葉の文例!
【弔問でのお悔やみの言葉の文例】
・「この度は、ご愁傷様(ごしゅうしょうさま)でございます。心よりお悔やみ申し上げます。」
・「この度は、ご愁傷様(ごしゅうしょうさま)でございます。謹んでお悔やみ申し上げます。」
・「この度は、ご愁傷様(ごしゅうしょうさま)でございます。突然の訃報で未だに信じられません。心よりご冥福をお祈り申し上げます。」
葬儀後に自宅まで弔問に伺うので、お悔やみの言葉は手短に済ませましょう。
弔問でのあまりに長いお悔やみの言葉は、かえって嫌味に聞こえてしまいます。
なるべく、弔問時には端的にお悔やみの言葉を伝えるように心がけて下さいね。
また、故人や遺族との関係性にもよりますが、葬儀後の自宅への弔問では長居は禁物!
遺族は、葬儀後の遺品整理や各種手続き・申請の最中と考えられるので、弔問において長居することはお勧めできません。
その為、お悔やみの言葉を伝えてお線香をあげれば、すぐに帰ることが自宅への弔問のマナーです。
弔問での香典の正しい渡し方と表書きの注意点!
後日、ご自宅まで弔問に伺う際に、香典や花などのお供えや供物などを持っていくべきかを悩む方は大勢いる事でしょう!
弔問時には、なるべく、正しい作法で遺族の心労を労い、故人の供養で失礼の無いようにしたいものです。
ここからは、後日、自宅に弔問に伺った際の香典の正しいマナーを詳しく解説していきますね。
御霊前それとも御仏前!?弔問での香典の正しい表書き!
通夜や告別式の際に、香典をお渡ししますが、葬儀後に弔問に伺った際でも香典をお渡しします。
弔問においても葬儀の際に渡す香典と同じように、弔事(ちょうじ)の封筒に香典を包みお渡ししますが、表書きには注意が必要です。
一般的に香典の表書きには、「御香典」「御霊前」と書きますが、四十九日以降に弔問に訪れた際は「御仏前」と書きましょう。
故人の命日から、四十九日目で故人の魂は成仏すると考えられているので、四十九日後は「御霊前」では不適切となるのです!
従って、四十九日前の弔問であれば、香典の表書きは「御霊前」、四十九日後であれば「御仏前」と書きましょう。
弔問の際の正しい香典の渡し方!
1.弔問で香典をお渡しする前に、遺族にお悔やみの言葉を伝える
弔問で香典をお渡しする際は、忌み言葉などに注意し、簡潔にお悔やみの言葉を伝えるようにしてください。
2.弔問では、袱紗(ふくさ)に包んだ香典を遺族にお渡しする
袱紗(ふくさ)とは、縮緬(ちりめん)などで作った方形の布のことです。
弔問で香典をお渡しするのに袱紗(ふくさ)を開くときは、表書きの文字が自分から見て読める位置で開き、時計回りに袱紗(ふくさ)を回転させ、遺族から見て表書きの文字が読める位置まで回転させたら香典を遺族にお渡しします。
弔問に行くのに袱紗(ふくさ)が手元にない場合は、香典を裸のまま持ち歩かず鞄などの中に入れて持ち歩きましょう。
3.弔問時の香典をお渡ししたら袱紗(ふくさ)を畳みしまう
袱紗(ふくさ)は香典などを包むものですので、弔電で香典を遺族にお渡ししたら畳んで鞄などの中にしまいましょう。
4.弔問における「香典返し」の辞退
葬儀から日が経ってしまってから弔問に伺った場合、香典返しの辞退を申し出ましょう。
遺族は葬儀後、芳名録などの書類整理にあたります。
誰から香典を頂いて、香典が幾ら包まれていたのかを把握しリストにする必要があるからです。
このリストをもとに、四十九日後の香典返しの準備を遺族は葬儀後に進めていきます。
その為、葬儀後、日が経ってから弔問をした場合、書類整理や香典返しの品の注文などが既に終わっている可能性が出てきます。
そうなった場合、遺族への配慮を考え、香典返しの辞退が葬儀後の弔問のマナーです。
弔問の手土産はどうすれば?花・お供え・供物は何を選ぶべき?
ここからは、葬儀後日、弔問に伺った際の手土産などの解説です。
通夜・告別式では、花やお供え・供物などをお渡しし祭壇に供えてもらいます。
通夜・告別式の習慣に習えば、後日の弔問と言えど、手土産や花などを持っていくか悩みどころでしょう!
基本的には、弔問時の花、お供え・供物などは「個人的な気持ち」なので有っても無くてもどちらでも大丈夫です。
弔問での手土産のおすすめと注意事項!
弔問時の手土産に関しては、必ずしも持っていく必要はなく、葬儀の際でも手土産を持っていくことはないので問題はありません。
しかし、後日、ご自宅へ弔問するお詫びと、遺族への配慮という点で手土産を持っていくことは、社会人として良い心がけでしょう。
もし、弔問において手土産を持参する場合は、「肉や魚」といった殺生を連想させるものは避け、お菓子などがお勧めです!
弔問のお花やお供え・供物は何を選んだら!?
お花やお供え・供物に関しては、故人の追善供養にもなるので弔問の際に持っていっても構いません。
花の場合は、菊を中心とした仏花の束が定番ですが、最近ではカーネーションなどの洋花なども人気が高いので弔問においてもおすすめです。
弔問で洋花の束で花を買う場合は、「棘の付いた花」や「香りが強い花」などは選ばないようにしましょう。
弔問でのお供え・供物に関しては、定番の季節の果物が喜ばれます。
生花店などで注文すれば、果物の詰め合わせを用意してくれるので、是非、利用してみてください。
また、お供え・供物を弔問辞に用意する際も、手土産同様に「肉や魚」などの殺生を連想させるものは避けましょう。
仏式で葬儀を執り行っている場合が多いので、弔問でも無難な季節の果物がおすすめですよ!
葬儀後に弔問に訪れることは稀な機会です。
しかし、そんな稀な弔問でも、ちゃんとしたマナーを守ることは、社会人にとって当たり前の事なのでしっかり心にとめおきましょう!