葬儀の挨拶!喪主・親族や会社・受付の挨拶と使ってはいけない言葉!?
あなたは、『言霊』を信じますか?
日本に限らず、諸外国でも『言霊』は信じられてきました。
そして、『言霊』の信仰は現在まで続いています。
日本では、言霊信仰の影響もあり『死』について語るのはタブーとされてきました。
『死』に関係する言葉を口にすることで、それが現実となると信じられていたからです。
このような理由もあり、葬儀で使わない言葉・マナーというのが存在します。
あなたは、いくつ知っていますか。
今回は、葬儀で使わない言葉について解説していきます。
どのような言葉があって、何故使われないのか。
実際に、挨拶する場合にはどのように気を付けるのか。
これらを中心に解説していきますので、最後までお付き合いください。
葬儀の挨拶!使ってはいけない言葉ってどんな言葉!?
葬儀で使わない言葉としてよく知られているものに、『重ね言葉』と『忌み言葉』があります。
これらは、その言葉が死を連想させるため使うことを避ける言葉です。
同じ意味の言葉でも、言い換えれば使っても良い場合もあります。
ですので、そちらも併せて紹介しますね
◎重ね言葉
重ね言葉とは、繰り返しの意味になる言葉のことを言います。
身近な人が亡くなった時というのは、やはり悲しいものです。
死が繰り返されないように、繰り返しの意味を持つ重ね言葉は避けます。
具体的に例をあげると
重ね重ね・たびたび・次々・再び・続く・重ねて・追って・また
などです。
ここで、注意しなければいけない場合がいくつかあります。
・丁寧な挨拶を心掛けるあまり、『重ね重ね』という表現を使ってしまう場合。
・弔辞の中で、思い出が『次々』出てくるという表現。
・同じく弔辞などで、もう一度会いたい時に『再び』や『また』を使ってしまう場合。
葬儀の中で使いがちなパターンです。
重ね言葉の多くは、省略しても意味が通じる場合がほとんどです。
ですから、どの言葉が重ね言葉になるか事前に確認しておくのが良いでしょう。
◎忌み言葉
忌み言葉とは、死を連想させる言葉の事です。
死を連想させる言葉として思い浮かぶのは、亡くなったという表現になります。
つまり、死去や死亡が忌み言葉です。
死去や死亡という言葉は、逝去という言葉に言い換えることが出来ます。
他にも、生きていた時という意味の言葉が忌み言葉になります。
存命中という言葉が忌み言葉です。
存命中も『生前』という言葉で言い換えることが出来ます。
葬儀の挨拶の中でよく聞く言葉でしょう。
難しいのは、宗教によって忌み言葉になる言葉です。
日本人は諸外国と違い、様々な宗教を信仰している人がいます。
宗教が違えば、教えも違ってくるのです。
宗教の違いで忌み言葉になるのは、次の言葉があります。
浮かばれない・迷う・成仏・供養・往生・冥福
これらの言葉は、使わないようにしてください。
◎大往生・天寿を全う
長生きした場合に『大往生』や『天寿を全う』という言葉をご使用でしょう。
これらは、言葉自体に問題があるわけではありません。
使用できる人が限定される言葉になります。
使うことが出来るのは、遺族側のみです。
身内を亡くした場合、遺族だけでなく親族や親しかった人も悲しむでしょう。
『大往生』や『天寿を全う』は遺族以外が使うと、故人の人生や生き様を他人に判断されることになります。
なので、遺族以外が使えない(使わない)言葉です。
ですから、『大往生』や『天寿を全う』は遺族が使うことが出来ても、他の人が使える言葉ではありません。
遺族以外が使うと他人の判断になってしますから、遺族にかける言葉としては不適切でしょう。
葬儀で挨拶!挨拶の仕方ってどうするの!?
葬儀の中で挨拶を行う場面は、どのような時でしょうか?
葬儀で行う挨拶は、亡くなって言葉を発する事の出来ない故人に代わって行うものです。
挨拶の場面としては、
・参列した時の挨拶。
・遺族側としては、参列してもらったお礼。
・参列した側は、遺族や受付への挨拶になります。
この挨拶は、会話の中での挨拶をイメージしてもらえると分かりやすいでしょう。
次に、お通夜や告別式に参列し、焼香をしてもらったことに対する挨拶。
この挨拶は、お通夜や告別式の式中・式後にする挨拶です。
葬儀の挨拶というと、この挨拶がイメージにあると思います。
挨拶の時間も、他の挨拶と比べると長くなります。
長過ぎず、短過ぎずの時間が望ましい挨拶です。
参列のお礼・生前のお礼・故人との思い出・今後のお願いを内容にしている場合がほとんどでしょう。
時間にして言うと、3分程度がちょうど良い長さと言えます。
3つ目が、出棺の際の挨拶。
出棺の際にする挨拶は、出棺まで残ってもらった事のお礼です。
挨拶の後に出棺となりますから、長くならないようにします。
最後に、食事をする前にする挨拶。
葬儀の中では食事を振る舞う事になります。
食事を振る舞う場合に、何も言わないままだと、振る舞われる側も手を付け難いものです。
ですので、食事を振る舞う前に軽く挨拶を行い、感謝を伝えてから食事を始めるようにしましょう。
葬儀の挨拶(喪主)
喪主としての役割の中で重要なものが挨拶です。
ちゃんと喪主が務まるか心配という人の大半は、挨拶が出来るか不安に感じます。
先程、説明した言葉遣い。
重ね言葉や忌み言葉に注意する事も もちろん重要ですが、挨拶の意味は故人に代わって挨拶をする事です。
感謝の気持ちを伝えることを最優先にします。
挨拶の例(喪主が妻の場合)としては、
故人の妻の〇〇(名前)です。
本日は、ご多用にもかかわらず、亡〇〇(故人の名前)の通夜(葬儀)にご弔問(ご会葬)いただきまして誠にありがとうございます。
(生前中のお礼の言葉)
(故人との思い出のエピソード)
今後共、故人生前中と同様皆様にはご指導ご鞭撻いただけますことをお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。
というように、挨拶を始めて締めると上手く挨拶がまとまるでしょう。
葬儀の挨拶(親族代表)
親族代表挨拶を誰が行うのか?
大抵の場合、故人の兄弟・子ども・子どもの配偶者が考えられます。
それ以外の人が、親族を代表して挨拶する場合というのは、多くありません。
喪主の挨拶同様、言葉遣いには気を付ける必要があります。
親族代表の挨拶も、故人に代わっての挨拶という事を忘れてはいけません。
葬儀の挨拶(参列者)
葬儀の中で、参列者が挨拶をする場合があります。
参列者代表挨拶とは言いませんから、ピンとこないかもしれません。
『弔辞』と呼ぶことが多いですから、こちらだと分かるでしょう。
弔辞は他の挨拶と違う部分があります。
通常、挨拶はあなたと相手の会話が成り立ちます。
弔辞の場合は、あなたが故人に語り掛けることになります。
亡くなってしまって、故人は返事が出来ません。
ですので、語り掛ける口調での挨拶になります。
弔辞の構成例としては、
弔辞(弔辞の場合、最初に弔辞と言います。)
〇〇〇〇さん(故人のフルネーム)
(訃報の悲しみや驚きを伝える)
(具体的な思い出を用いて、故人の人柄を紹介する)
(悲しみは募るが、前向きに頑張ると報告する)
〇〇〇〇さん(故人のフルネーム)、たくさん思い出をありがとう。
辛いですが、お別れを伝えなければいけません。
どうか、安らかにお眠りください。
さようなら。
のように締めるのが良いでしょう。
葬儀の挨拶(会社・友人・受付)
喪主や親族代表の挨拶と違い、会社の同僚や友人・受付の人のへ挨拶は必ずしも必要ではありません。
相手を気遣って、いろいろと話している場面というのを見受けます。
必要なのは、長く挨拶をすることではありません。
相手の悲しみが深くならないよう配慮すること。
お悔やみの気持ちを伝えることが必要なことです。
たくさんの言葉を掛けなくても、表情や態度からでも十分伝わります。
会社の同僚や友人が遺族や受付へ声をかける場合の例としては、
「この度は誠にご愁傷さまです。心からお悔やみ申し上げます。」
程度の挨拶が良いでしょう。
受付を頼まれた場合、何を言えば良いか分からないという事も考えられます。
その場合の挨拶の例としては、
親族に対しては「この度は誠にご愁傷さまでした」と伝えましょう。
親族以外の参列者の場合は、足を運んでもらったことに対し「お参りありがとうございます」という一言で構いません。
天気が悪かった場合などは、「あいにくの雨の中」などの言葉を添えるとより丁寧です。
ここまでの説明で、葬儀の中で使わない言葉や挨拶のポイントについては理解いただけましたか?
普段使う言葉が使えなかったり、言い換えて使わないといけなかったりして難しく感じたかもしれません。
説明の中でも触れましたが、重要な事は故人に代わって挨拶しているという事です。
言葉遣いに気を付けることも忘れてはいけませんが、感謝の気持ちを伝えるという事を最優先にすべきでしょう。
重ね言葉や忌み言葉にしても、挨拶を受け取った相手が重ね言葉や忌み言葉と認識しなければ成り立ちません。
最も注意する言葉は、安易にかけた気休めの言葉の方でしょう。
最初に出ましたが、言霊という考えがあります。
葬儀の中で、遺族の心の傷を癒す手助けとしてグリーフケアというものがあります。
相手の気持ちに配慮して寄り添い支援することです。
ですが、安易にかけた言葉が遺族の悲しみを、更に深くしたという事もあり得ます。
『うつ』の方に「頑張って」と言わない方が良いというのは聞いた事があるかもしれません。
遺族に対しても同じで、「頑張って」というのは避けるべき言葉と言えます。
そっとしておいてあげるというのが、葬儀の際には最大の優しさなのかもしれませんね。
この記事が、今後の参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。